工房ベル

2025/04/10 07:00


InstagramのDMに、和楽器専門店からメッセージが…

一緒にオリジナル商品の製作ができないでしょうか?

『和楽器業界では、年々和楽器を楽しむ人口が減少。それに伴い処分される楽器達は増加。
何十年と大切に使われてきた楽器という道具が、ごみとして扱われていることが無念でなりません。
さらに、楽器に使用されている木材は、輸出入ができないような希少な木材。
そんな木材が焼却処分され続けている現状が非常に心苦しく、楽器から新たに違う物に生まれ変わらせることができないかと考えている中で工房ベルの作品が目に留まりました。
是非一緒にオリジナル商品の製作ができないでしょうか?』


僕もアコースティックギターやサックスなど楽器を演奏してきた。
大切にされてきた楽器がゴミとして処分されるのは悲しい。
希少な木材を有効活用するお手伝いができるのなら、ぜひ制作したいと直ぐに返信をした。

◇◇◇◇◇◇

制作につかうのは三味線の棹(さお)と胴(どう)と呼ばれる部分。
画像


手元に届いてまず思ったのは、三味線って分割で作られてるんだ…と驚き。
表面には傷があったり指の位置の目印があったり、楽器として使われていた証が。
普段のキレイに製材された木とは違った雰囲気を感じながらの制作でした。
画像


ネクタイピンやカフリンクスなどの男性向けの他に、女性向けのアクセサリーも…ということだったので、バレッタとピアスを制作。
バレッタには蝶ネクタイのデザインを、ピアスにはチェック柄のカフリンクスのデザインを落とし込む…
少し前から試してみたかったことに挑戦させてもらった。

画像

画像

◇◇◇◇◇◇

捨てられるものを新しい作品に…というと「アップサイクル」や「SDGs」みたいな感じが強くなるんだけど、自分はあまりピンときていない。
普段からゴミになってしまう部分を少なくしようと制作している。
でもそれは「地球環境問題のため」とかではなく、単純に「もったいない」から。三味線だろうと、製材された木材だろうとそれは変わらない。

なので自分からは「SDGs」の取り組みで…みたいな情報発信はしていかないと思う。
あくまで「もったいない」から。三味線が捨てられるのはもったいないと思ったから。



◇◇◇◇◇◇

紹介した作品は「つるや楽器」さんからの依頼で制作しました。
作品の販売はつるや楽器さんにお願いしています。

Mail Magazine

新作のお知らせやメルマガ登録者限定のクーポンをお届けします。